インドの旅 番外編 4 


私の住んだ山小屋のなかにはまた、
屋根裏に住みついている別の生物種がいた。
彼らは、屋根裏でなにかの遊び道具を持っているらしく、
夜ともなれば、それを盛んに転がして遊ぶ音がする。
ときどきカーーーン、カン、カンカンカン……と、
ちょうどパチンコ玉を木の床に落としたような音がして、
天井に空いている穴から、彼らの遊び道具が床の上に落ちてきた……
と思ったら、どんなに床を探しても何もなく、
それは、屋根裏の音が見事に反響してそのように聞こえるのであった。
当初、ネズミかと思っていたそれは、実はネズミではなく、
リスであった。
あるとき、樹の枝伝いに一家で屋根裏に出入りしている彼らを、
やはり偶然発見したのである。
今回のインドの旅、長かったそれも、終わりに近づいていた。
こうして動物たちとの触れあいを描いた番外編になってから、
寄せられるコメントが急増したが、
あのソクラテスの妻・クサンチッペ論争をしたとき以来のことだ。
私に個人的に送られてくるメールを合わせると、
大変有り難い数になり、
個別にお返事ができなかったのは大変申し訳なかったものの、
こうして皆さんも、動物たちを愛しておられることがよく分かる。
ヴェーダもまた、人間の幸福だけを念頭においておらず、
天界の神々や亡くなった祖先霊たち、
そして、同時代を生きる動物たちを幸せにすることもまた、
われわれが地上の生を全うするための務めであることを語っている。
今回、動物たちとの触れ合いの機会を持てたのも、なにかの縁であろうか、
私のなかでも、人類社会の平和や安寧だけではなく、
動物や植物も含めた、生命全体の幸福ということが、
最近は心に染みついて離れない。
将来、もし余裕ができるようなことがあったら、
(生涯、余裕はできない可能性も高いが……)
孤児の福祉や若い世代の教育と並んで、
動物や植物たちの幸福もまた、追求したいテーマの一つになりつつある。
ちなみに、おかげさまをもって私はすでに日本におり……


明日は聖書の解説を予定通り行なう。
イエスが12人の弟子を選び、彼らを遣わしたというくだりであるが、
この12人は、死者すらも蘇らせるという権能をイエスから与えられた。
が、しかし、なぜこの12人だったのか、
旧約・ユダヤ教の原点に立ち返り、解説してみたい。
毎回そうなのであるが、
明日、ご一緒に聖典を学んでいただける皆さんのことも神々がお慶びになり、
そして長く、私の印象と記憶に残るに違いない。


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