最新号 (第187号 2025年4月10日配信)
『巡礼』もう30年近くも皆さんに親しんでいただいてきた『大いなる生命とこころの旅』は、
当初、私自身が企画してさまざまな聖地を訪れた。
特に、2000年に出版した『最後の奇跡』の読者の皆さんから、
「ルルドに行きたい」とのお声を多数いただいたので、
最初の数年間はルルドを含むヨーロッパの聖地に毎年巡礼した。
そのなかで、何人かの方が実際に奇跡的治癒に与られたのが、
今も深く印象に残っている。
こうしてキリスト教、特に聖母マリアの聖地を巡礼していたが、あるとき、
『次の巡礼はわたし(聖者アガスティア)が指示する』と書かれたことがあり、
以降、予言のなかで巡礼の場所と時期が指示されるようになった。
もちろん多くがインドであるが、インド以外の場所、
たとえばシンガポールやハワイなどもあった。
それらは観光地だと思っていたが、実際に調べて訪れてみると、
それぞれの歴史をもつ神聖な場所であることを知ることとなった。
神聖だからこそ、多くの人が集まり、観光地にもなるのである。
予言のなかでは、どの場所でどのような儀式を捧げ、
またはチャリティを行ない、等もしばしば指示される。
『それぞれの聖地や聖者、神々との関係性のある者が、
これらの巡礼に来ることができる』とも書かれており、
聖地で奇跡を経験する方は特にそういう皆さんなのだろうと私は思う。
そうした巡礼のため、『〇人の生徒を抽選で選び、招待するように』
という記述が最初に現れたときには、正直驚いた。
「抽選」は、まったくの偶然により結果が決まるものと思っていたからである。
最近は巡礼の度、抽選が指示されるようになってきたが、
何度も繰り返すうち、結果がまったくの偶然ではないことも分かってきた。
当たった人のなかに、
当たるべくして当たったと分かる人が相当数いるのである。
いまやこの件ですっかり有名になってしまったDさんは、
過去、なんと五回続けて巡礼旅行に招待されている。
一回目、二回目もそうではあったが、
三回目が起きたときにはその場にいた皆が驚いた。
これがいったい、いつまで続くのか……。
自然とそれが私たちの関心の的となるなか、
「いくらなんでも四回目は……」と多くの人が思っていたところ、
四回目も当たり、われわれをさらに驚愕させた。
今年6月の巡礼旅行では、南インドの大聖地ティルヴァンナマライで、
知と愛、美を司り、三界の支配者としても知られる女神にホーマが捧げられる。
私はもちろん、予言の読み手自身、与ったことのない大ホーマだという。
4月5日、「葉の礼拝の儀式」の際、その抽選が行なわれた。
今回は対象となる方が170人近くにも及んだので、
いかにDさんといえどもとても当たるようには思えなかった。
当日、私は喉がカラカラに渇いてしまうほど緊張したが、
果たして実際、シヴァ神の指示された7人のなかにDさんは入らなかった。
ところが、予言の読み手が特にもうお一人だけお連れしたいというので、
その札は読み手に引いてもらうこととなった。
祭壇の神像に手をかけ、祈りを込めてくじをひき、おもむろに開けて、
彼は「SEVENTY」と言った。……と、私には聞こえた。
しかし実際はSEVENTEENで、「1、7」と彼は言いなおした。
誰もが固唾を飲むなか、「当たりました……」と手を挙げたのがDさんだった。
実に、続けて六回目のご招待となる。
「今回はどんな魔法を使ったんですか?」
思わずそう聞いた私に、Dさんはおずおずと答えた。
「はい、あの、今回も<Art6>を使わせていただきました……」
肉体をもって相対界を生きる私たちには、
どうしても日々の生活の必要が生ずる。
敬虔にして控えめなキリスト教徒も、
イエスが自ら教えた「主の祈り」のなかで、
『われらの日用の糧(かて)を、今日(こんにち)われらに与えたまえ』
と祈りを捧げる。
ところが、ただ単にお願いするだけでなく、
これを強力に神々に聞いていただく技術をヴェーダの聖仙が教えている。
これは、<Art1>の技術を習った方なら誰でも簡単に習得できるが、
2018年に一度しか教えたことがない。
当選のたび、「どうして?」と聞かれたDさんが必ず「<Art6>で」と言われるせいか、
これを習いたい、もう一度受講したい、という声が年々高まってきた。
そこで年内に、その第二期を開講することとなった。
ちなみにDさんは、霊的なことでしかこの技術は使わないというが、
あるときヒゲソリが故障し、困って神々にお願いしてみたところ、
懸賞が当たってこれを手に入れたという。また、一昨年の年末、
「年越しの資金があと80万円くらいないと……」と神々につぶやいたところ、
ほぼ同時に私の予言が出てきて、
『Dに77万円を渡すように』と書かれていた。
シヴァ神が、何千年前にこれを書かれたのかは分からないが、
一日か二日の間にそういうことが起きたのだから、
Dさんの祈りと、その必要な時を予め知っておられたとしか思えない。
金額に多少の違いがあるが、
実際に必要とされている金額は77万円かと私は勝手に解釈し、
謹んで、そして喜んで、そのとおりにさせていただいた。
世の中には、運のいい人と悪い人がいるといわれる。
『起きてくることはみな、過去の自分の行為の結果』
というヴェーダの摂理を思えば、運のいい人というのは
過去(や過去世)で相応のよいことをしてこられたに違いない。
そうしてさらに、そういう人はしばしば楽観的で、人にも好かれるので、
それがまた彼や彼女に運を引き寄せているようにも見える。
しかし、もしそれをある種の技術によって引き寄せることが可能なのであれば、
それはそれでまことに有り難いことだ。
そう思う私は素直に、これを伝えてくれた聖仙たちに感謝したくなるのである。


















