メールマガジン<プレマ通信>

青山圭秀エッセイ  バックナンバー

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最新号 (第124号 2019年6月29日配信)

『解脱』

インドの聖地ヴァラーナシーを巡礼した5月、
移動中の車のなかで、いつもセミナーなどを聞きにきてくれている皆さんに尋ねてみた。
「ヴェーダでいう、人生の4つの目標は何ですか?」
ある方が「ハイッ」と手を挙げて答えた。
「それはまず、食べることですッ!」
車のなかは即座に爆笑の渦と化した。
「では二番目以降は?」
「ハイ、二番目は寝ること、次に排泄すること、そして最後に・・・・・・」
これほど笑いの絶えない巡礼も珍しい、そんな旅となった。

ヴェーダでいう人生の4つの目標、それはダルマ(今生の使命を完遂すること)、
アルタ(富、財を蓄え、よい目的のために使うこと)、
カーマ(人を、生きとし生けるものを愛し、愛されること)、
そしてモークシャ(悟りを啓くこと)である。
どれ一つをとっても語り尽くせないし、達成は容易でない。
特に最後の目標であるところのモークシャはそうだ。
だが、インドの古い言い伝えによれば、
それだけで解脱を達成することのできる聖地があるという。

『ティルヴァルールに生まれる、
 チダンバラム(の踊るシヴァ神)を見る
 ヴァラーナシーで死ぬ
 アルナーチャラにいたっては単に(そこで)想うだけで、解脱が約束される』
これにもう一つ、
カンチープラムで聖者(シャンカラーチャーリヤ)に会うことを加える人もいる。
聖者アガスティアと、シヴァ神の指示により、
8月の巡礼では、これら5カ所のうち3カ所を訪れることになる。
シャンカラーチャーリヤにお目にかかり、
チダンバラムでは壮大なホーマに与る。
アルナーチャラ(ティルヴァンナマライ)では大聖者ラマナの眠る場所で瞑想し、
そして、ヴェロールで私自身もその存在を最近まで知らなかった聖者に
初めてお目にかかることになる。

聖者はシヴァ神の降臨を得た後、水も食べ物も口にしなくなった。
シヴァ神のご指示は、ただ、やってくる人びとを救うという一点にあったという。
人のカルマを取り除くのは決して単純な話ではないが、しかしそれがこの聖者の使命だ。
聖者ご自身は多くを語られないが、シヴァ神の指示された山には、
多くの人が知らぬ間に寺院が建立された。
インド18人のシッダ(覚者)に続く、19番目の方だと言う人びともいる。

それぞれ、その一つだけを目的に巡礼を行なっても
退屈することはないであろうことのすべてが、
なぜ一回の旅行に重なったのかは分からない。
当初は私自身、これが現実のものとなるという気がしなかった。
しかし現に今、この旅が行なわれようとしているのは、
聖者や神々のご意志であったとしか言いようがないと思っている。

尚、明日30日(日)のセミナーでは、
『あるヨギの自叙伝』より、神の意志が相対界に顕れ出る際の
まことに霊妙な法則について学ぶことになる。
この旅行についてのご質問があれば、<瞑想くらぶ>の間にお答えしたい。