瞑想講座

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瞑想に関する科学的研究 『意識の深みとヴェーダの英知』

「個別生命の目的は、幸福の深化と拡大にある。いかなる生命もこの目的のもとに生き、または生かされているということには疑いの余地がない。

常に幸福を求めてやまないわれわれの心は、その対象を外界に求めるという強い傾向を持つ。われわれは、何か美しいものを見たいし、心地よいものを聞きたい。美味しいものを食べたいし、心地よいものに触れたい。感覚器官は常に、最大限、最高度に、心に幸福を経験させようとして止まない。それは言ってみれば、感覚の“ダルマ(使命)”なのである。

こうして本来、「感覚」は「心」に仕える状態にあるべきなのであるが、問題は、感覚によって外界の幸福を与えられる心が自分本来の地位を忘れ、感覚を追いかけるようになることである。もともと感覚の主であるはずの心が、その奴隷となってしまう。そうしてわれわれの心から、清浄さや静寂が失われる。

瞑想のそもそもの目的は、そのような心の清浄さや静寂を取り戻すことにある。すでに日本アーユルヴェーダ学会において何度か発表したように、わずか一年にも満たない期間、瞑想を実修した者において、緊張や不安、抑うつ、疲労、混乱が軽減し、逆に活力が増大するといった心理的変化が起こることが統計的に明らかになってきた。

また、瞑想を継続的に実修することで、長年の頭痛や肩こりが解消されるなど、健康状態に改善がみられることも統計的に有為であった。さらに自分を取り巻く環境が好転するなど、個人の幸福や充実感を増し、人生や社会への適合を促す方向に働くことが分かってきた。

以下に、それらを示す具体的なデータを掲載したい」

青山圭秀